7月2日、ウィンブルドン6日目(イギリス/ロンドン、芝)男子シングルス3回戦。
第5シードの錦織圭が2度の雨の中断を挟みながらも、世界ランク42位のアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)を7-5, 6-3, 7-5のストレートで勝利し、全英2年ぶりのベスト16進出を果たし、1995年の松岡修造以来21年ぶりのベスト8進出へ王手をかけた。
この試合は前日に行われる予定だったが悪天候により2日へ順延。中1日空いて試合が開始し、左脇腹などの体調面に不安があった錦織にとって恵みの雨となった。
第1セット、錦織は第7ゲームでクズネツォフに先にブレークを許すが、第8ゲームでフォアハンドウィナーを決めてブレークバックに成功。そして、第11・第12ゲームを連取して、このセットを先取した。
第2セット、クズネツォフの鋭いストロークに苦戦するが、無理な打ち合いはせずに、コートを広く使った揺さぶりで、第6ゲームでブレークに成功してリードを守り、セットカウント2-0とする。しかし、強い雨が降り始め、試合は約2時間一時中断。
第3セット、後のないクズネツォフの攻撃が強くなり、第2ゲームで錦織がブレークされ、0−3となったところで、再び雨となり、約20分の中断。
試合再開後、錦織は集中力を切らすことなく、そのまま勝利を手にした。
4回戦では第9シードのM・チリッチ(クロアチア)と対戦する。過去の対戦成績は錦織の7勝3敗となっている。両者がグランドスラムで顔を合わせるのは、2014年の全米オープン決勝以来で錦織はストレートで敗れ準優勝となったが、その後はハードコートの大会で2連勝してる。
クズネツォフ戦は中断が入りながらも緊迫したゲームであったが、スタッドを見ると、錦織圭がレシーブ・ポイントで10%上回っていることと、アンフォースドエラーが少なく、またパワー全開のセカンドサービスでなくても、ポイントを多く獲得できたことが勝利に結びついた。
錦 織 3 7-5
6-3
7-50 クズネツォフ 第3セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計 錦 織 ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ 7 クズネ ○ ◎ ○ ○ ○ 5 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
<第12ゲーム>7-5 錦織の厳しいコースへのサーブにクズネツォフが4連続でミスショット。錦織はキープ。ストレート勝ちを収めた。
<第11ゲーム>6-5 錦織は30-30から強烈なフォアハンドショットでブレークポイントを得る。2度のジュースをはさみ、このゲーム3度目のブレークポイントでクズネツォフがミスショット。錦織がブレーク。
<第10ゲーム>5-5 15-15で長いラリー。錦織の見事なロブショットがライン上にぴたりと決まる。錦織がキープ。
<第9ゲーム>4-5 クズネツォフのミスショットなどで錦織が0-30と先行。しかしクズネツォフが厳しいサーブで耐える。最後はサービスエースで決めクズネツォフがキープ。
<第8ゲーム>4-4 錦織は得意のラリーで相手のミスを誘う粘りのプレー。最後は厳しいコースへバックハンドショットが決まり錦織がキープ。
<第7ゲーム>3-4 クズネツォフが強気なサーブでポイントを重ねる。クズネツォフがキープ。
<第6ゲーム>3-3 互いに譲らぬ高度なラリー戦。40-30から、錦織のバックハンドショットがライン際に決まった。錦織がキープ。
<第5ゲーム>2-3 30-40と錦織のブレークポイントになったが、クズネツォフがしのいでジュースに。2度目のブレークポイントでは、錦織の厳しいリターンがきいてクズネツォフがミスショット。錦織がブレークバックに成功した。
<第4ゲーム>1-3 錦織のサーブから再開。クズネツォフのミスショットがやや目立つようになった。錦織がキープ。
<中断> 再開後わずか3ゲームを終えたところで再び雨。2度目の中断に入った。約20分の中断後、両選手が戻り再開。
<第3ゲーム>0-3 錦織も厳しいコースを狙うが、わずかに外れるショットが目立つ。クズネツォフがキープ。
<第2ゲーム>0-2 錦織のサーブに対し、クズネツォフは果敢なリターンで攻める。厳しいショットがうまく決まり、15-40のブレークポイント。その後3度のジュースにもつれ、このゲーム3度目のブレークポイントで錦織がミスショット。クズネツォフが先にブレーク。
<第1ゲーム>0-1 クズネツォフのサーブから。錦織はなかなかリターンしきれず、クズネツォフがラブゲームでキープ。
<中断> 急きょ強い雨が降り始め、試合は一時中断に。中断から約2時間後、両選手が入場し試合再開
第2セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 錦 織 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ 6 クズネ ○ ○ ○ 3 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
<第9ゲーム>6-3 40-30のセットポイントから、クズネツォフのリターンが外れる。錦織がキープし、2セット目も連取。
<第8ゲーム>5-3 クズネツォフがサーブでのポイントを重ねる。あっという間にクズネツォフがラブゲームキープ。
<第7ゲーム>5-2 40-0から、錦織がこの試合初めてのダブルフォルト。しかしその後きっちりポイントし錦織がキープ。
<第6ゲーム>4-2 30-40と錦織のブレークポイントだったが決めきれずジュースに。このゲーム3度目のブレークポイントで、錦織のバックハンドショットが鮮やかに決まった。錦織がこのセット先にブレーク。
<第5ゲーム>3-2 錦織は30-30の苦しい展開から、サービスエースで40-30とする。長いラリーから、クズネツォフの仕掛けたドロップショットに錦織が追いつきポイント。錦織がキープ。
<第4ゲーム>2-2 クズネツォフが粘り強いラリーから錦織のミスショットを誘う。クズネツォフがキープ。
<第3ゲーム>2-1 錦織は第1サーブがしっかり決まり、優位に進める。錦織がキープ。
<第2ゲーム>1-1 40-30から長いラリー。クズネツォフのミスショットでこの試合初めてのジュースに。クズネツォフがなんとかキープ。
<第1ゲーム>1-0 錦織のサーブから。サーブの好調ぶりは健在で、このゲームもほとんどのポイントが速い展開でのものだった。錦織がラブゲームでキープ。
第1セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計 錦 織 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ 7 クズネ ○ ○ ○ ◎ ○ 5 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
<第12ゲーム>7-5 錦織が厳しいリターンからラリーに持ち込み、30-40とセットポイントを取る。最後も厳しいショットでクズネツォフのミスを誘い錦織がブレーク。第1セットを奪った。
<第11ゲーム>6-5 サーブからのポイントでテンポよく運び、錦織がキープ。
<第10ゲーム>5-5 錦織はラリーに持ち込むもなかなか粘り切れず。クズネツォフがキープ。
<第9ゲーム>5-4 錦織はコートを広く使った揺さぶりで主導権を握る。錦織がキープ。
<第8ゲーム>4-4 錦織は積極的なリターンで仕掛ける。クズネツォフのミスショットを誘い、30-40とブレークポイントに。最後はラリーからフォアハンドのショットが決まり錦織がすぐさまブレークバック。
<第7ゲーム>3-4 錦織がサーブ&ボレーで仕掛けたがミスショットに。クズネツォフが15-40とブレークポイントをにぎり、1度目のチャンスで見事なストレートショットが決まった。クズネツォフがこの試合先にブレーク。
<第6ゲーム>3-3 クズネツォフのサーブが強い。錦織はほとんどリターンできずクズネツォフがキープ。
<第5ゲーム>3-2 錦織は余裕のあるプレー。効果的にドロップショットを使ってクズネツォフを崩す。錦織がラブゲームでキープ。
<第4ゲーム>2-2 クズネツォフは力のあるサーブで主導権を握る。最後は錦織のミスショットでクズネツォフがキープ。
<第3ゲーム>2-1 40-15からラリーとなり、錦織が足を使って緩急をつくりポイント。錦織がキープ。
<第2ゲーム>1-1 一方のクズネツォフも好調。サービスエースで決めクズネツォフがキープ。
<第1ゲーム>1-0 錦織のサーブから。立ち上がりからサーブがさえ渡り、クズネツォフにほとんどプレーさせず錦織がラブゲームでキープ。