6月30日、ウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)男子シングルス2回戦。
第5シードの錦織圭が世界ランク547位のジュリアン・ベネトー(フランス)を4-6, 6-4, 6-4, 6-2の逆転で下し、2年ぶりの3回戦進出を決めた。
29日に予定されていたが雨のため順延となり、仕切り直しの1戦でセンターコートの第1試合に設定された。センターコートでの対戦は2010年1回戦のラファエル・ナダル戦以来2度目で、初勝利となった。
J・ベネトーは、昨年、股関節の手術を受けてツアーに復帰したため、現在は世界ランク547位であるが、2012年には4回戦でフェデラーと対戦し2セットアップ、あと2ポイントまで追い込んだことのある底力のあるプレイヤー。
第1セット、錦織はベネトーの強打に攻められ、そして、大事な局面でサーブを決められ、なかなか自分のゲームメイクまで持ち込めず。しかも、少しリズムをつかみかけた第7ゲーム終了時に雨で15分ほど中断。繊細な感覚をもつ錦織にはやはり嫌な雨の中断だったにちがいない。第10ゲームをサービスブレイクされ、第1セットを先取された。
第2セット、錦織はリターンに集中し、強弱を付けながらラリー戦に持ち込んで、チャンスを広げた。第7ゲーム、4本のストローク・ウィナーを集めてブレイクに成功し、主導権を奪い、セットカウントを1−1にする。
第3セット、錦織は第5、第7ゲームを連続ブレイク。第4セットも第1ゲームから積極的に攻め込んでブレークを奪い、最後まで主導権を渡さず、センターコート初勝利を飾った。
錦織は試合後のインタビューで、「第1セットは相手にワンチャンスを決められたが、そのあといいプレーが戻り、後半はいいテニスができた。第2セット以降、相手に攻められないように、ショットに角度をつけたり、深いボールを打ったりした」と語った。
3回戦では、世界ランク42位のA・クズネツォフ(ロシア)と対戦する。両者は今回が3度目の対戦で、過去は1勝1敗。
直近は今年の全仏オープン2回戦で、その時は錦織がストレートで勝利した。
現在25歳のクズネツォフは、今年の全豪オープンで4回戦進出。3月のマイアミ・オープンでは、2回戦でS・ワウリンカ(スイス)を破る金星をあげた強打のプレイヤー。球足の速い芝のコートでは全仏とちがう違う展開が待っているだろう。
錦 織 3 4-6
6-4
6-4
6-21 ベネトー 第4セット
1 2 3 4 5 6 7 8 計 錦 織 ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ 6 ベネト ○ ○ 2 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
<第8ゲーム>6-2 最後も錦織は落ち着いたサーブ。40-30から強烈なバックハンドで決め錦織がキープ。逆転勝ちで3回戦進出を決めた。
<第7ゲーム>5-2 40-15からサービスエースが決まり、ベネトーがキープ。
<第6ゲーム>5-1 錦織が緩急をまじえたサーブでベネトーを崩す。錦織がキープ。
<第5ゲーム>4-1 ベネトーのミスショットなどでジュースに。ベネトーのダブルフォルトで、錦織にブレークポイントのチャンス。さらにベネトーのショットが外れ錦織がブレーク。
<第4ゲーム>3-1 ジュースまでもつれたが、そこから連続ポイントで錦織がキープ。
<第3ゲーム>2-1 ベネトーがキープ。
<第2ゲーム>2-0 錦織が危なげなくキープ。
<第1ゲーム>1-0 錦織は30-40のブレークポイント。長いラリーとなり、ベネトーも食らいついたが錦織の粘り勝ち。錦織がブレーク。
第3セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計 錦 織 ○ ○ ◎ ○ ◎ ○ 6 ベネト ○ ○ ◎ ○ 4 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
<第10ゲーム>6-4 錦織が落ち着いたサーブで主導権を握る。40-15から、サービスエースが決まり錦織がキープ。2セット連続で取り逆転。
<第9ゲーム>5-4 ベネトーの強力なサーブがいいコースに決まる。ベネトーがラブゲームでキープ。
<第8ゲーム>5-3 錦織のショットが定まらず、ミスショットが重なりベネトーがブレーク。
<第7ゲーム>5-2 15-30から錦織がリターンエースを決めブレークポイント。さらにベネトーがミスショットし錦織が連続ブレーク。
<第6ゲーム>4-2 錦織の惜しいショットがなかなか決まらず、30-40とベネトーのブレークポイントに。しかし、ベネトーが3連続でミスショット。錦織がなんとかキープ。
<第5ゲーム>3-2 ベネトーのミスショットなどでジュースに。ベネトーのアドバンテージとなったが、錦織がリターンエースを決め再びジュース。ベネトーのミスショットが続き錦織が先にブレーク。
<第4ゲーム>2-2 30-15からサービスエースを決めるなど錦織が先行。錦織がキープ。
<第3ゲーム>1-2 ジュースまでもつれたが、ベネトーが強気のサーブで錦織を崩し、連続のサーブポイント。ベネトーがキープ。
<第2ゲーム>1-1 錦織がコートを広く使ったラリーに持ち込み優位に立つ。最後はドロップショットを決めて錦織がキープ。
<第1ゲーム>0-1 ベネトーのサーブから。緩急をうまく使って錦織を揺さぶり、ベネトーがキープ。
第2セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計 錦 織 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ 6 ベネト ○ ○ ○ ○ 4 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
<第10ゲーム>6-4 40-0からベネトーに2連続ポイントを許したが、最後はベネトーのミスショットで錦織がキープ。このセットを奪いタイに戻した。
<第9ゲーム>5-4 錦織のミスショットが重なりベネトーがキープ。
<第8ゲーム>5-3 錦織が厳しいサーブでベネトーのミスショットを誘う。錦織がキープ。
<第7ゲーム>4-3 15-30から、錦織が鋭いバックハンドショットを決めブレークポイント。しかしベネトーもバックハンドのジャンプショットを決めるなどジュースまで持ち込んだ。それでも、ベネトーのミスショットで錦織は再びブレークポイントを迎えると、すばらしいバックハンドを決めて錦織がブレークに成功。この試合初めてのブレークでリードを奪った。
<第6ゲーム>3-3 ベネトーのすばらしいリターンエースもあったが、錦織がキープ。
<第5ゲーム>2-3 40-30から、サービスエースが決まりベネトーがキープ。
<第4ゲーム>2-2 0-30とベネトーが先行。錦織はサービスエースを決めるなど踏ん張り、4連続ポイント。錦織がキープ。
<第3ゲーム>1-2 40-30から、錦織がサーブ&ボレーの絶好のチャンスでミスショットしてしまいベネトーがキープ。
<第2ゲーム>1-1 ベネトーのミスにも助けられ錦織がキープ。
<第1ゲーム>0-1 錦織のリターンがなかなか決まらず、速いテンポでベネトーがキープ。
第1セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計 錦 織 ○ ○ ○ ○ 4 ベネト ○ ○ ○ ○ ○ ◎ 6 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
<第10ゲーム>4-6 錦織はラリーで粘り切れず、ジュースにもつれこむ。錦織のミスショットでベネトーがセットポイント。最後も錦織のショットが外れベネトーがブレーク。第1セットを先取した。
<第9ゲーム>4-5 ベネトーもベテランの技で錦織をほんろう。緩急をうまく使ったラリーで主導権を握りベネトーがキープ。
<第8ゲーム>4-4 錦織にとっては中断がプラスに作用したか、サーブの安定感が増してきた。錦織がラブゲームでキープ。
<中断> 雨脚が強くなり、試合を一時中断。10分もたたないうちにシートが外される。間もなく両選手が入場し、試合が再開された
<第7ゲーム>3-4 錦織は厳しいコースを攻めるも決めきれず、ベネトーがキープ。
<第6ゲーム>3-3 またもベネトーに先行を許す苦しい展開。0-30から、厳しいサーブでミスショットを誘い、最後はドロップショットを決めて錦織がキープ。
<第5ゲーム>2-3 錦織が15-30と先行したが、ベネトーが粘り強いプレーで盛り返す。ベネトーがキープ。
<第4ゲーム>2-2 ベネトーの素晴らしいショットが立て続けに決まり15-30と先行されたが、錦織がなんとかキープ。
<第3ゲーム>1-2 40-30からサービスエースが決まりベネトーがキープ。
<第2ゲーム>1-1 ベネトーに0-30と先行を許し、ジュースにもつれる。1度のブレークポイントをしのぎ、錦織がなんとかキープ。
<第1ゲーム>0-1 ベネトーのサーブから。お互いに落ち着いた滑り出し。錦織がラリーで揺さぶりをかけ、ジュースに持ち込んだが、最後はベネトーがサービスエースを決めるなど2連続ポイント。ベネトーがキープ。