6月27日、グランドスラムのウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)男子シングルス1回戦。
第5シードの錦織圭が世界最速の時速263キロのサービスを持つ世界ランク124位のサム・グロス(オーストラリア)を6-4, 6-3, 7-5のストレートで下し、5年連続の初戦突破をした。
錦織は、グロスの高速サービスに押されながらも、うまいリターンでプレッシャーをかけ、第1セットを先取。
続く第2セットを6-3で取ったあと、メディカルタイムアウトを要求し、前哨戦のゲリー・ウェバー・オープンで痛めていた左脇腹のマッサージを受けるが、第3セットに入っても正確なショットで主導権を握り、ストレートで勝利を手にした。脇腹をかばってからか、強いサービスは打たずに、巧みな試合運びで、初戦の難しい相手を攻略できた成果は大きい。
グロスのサービスゲームを6度ブレークに成功。一方で、相手に10本のブレークポイントを与えながら、許したブレークは2度だけだった。
結果、グロスに15本のエースを許したが、錦織のリターンでの返球率は約60%に高め、得意のラリー戦に持ち込み、ゲームを支配した。
試合後のインタビューで「ストレート勝ちでほっとしている。サーブの強い相手に3セットで勝てたことはよかった。この芝のコートでよいテニスをしっかりして、行ける所まで行きたい」と語り、心配された左脇腹については、「まだ少し痛みがある。痛みと戦いながらの大会になると思う。しっかり体調を戻したい」と語った。
2回戦では、世界ランク547位のJ・ベネトー(フランス)と対戦する。今回が5度目の対戦で、錦織から3勝1敗。直近は2014年のマレーシア・オープン決勝で、錦織がストレートで勝利、芝では初の対戦となる。34歳のベネトーは怪我のために一時ツアーを離脱していたが、今年に入り復帰。世界ランキングこそ落としているが、自己最高は2014年の25位のプレイヤーでバックハンドが安定しており、ストローク戦になることを錦織は予想している。
シード勢が順当に勝ち進んだ場合、3回戦で第29シードのP・クエバス(ウルグアイ)、4回戦で第9シードのM・チリッチ(クロアチア)か第23シードのI・カルロビッチ(クロアチア)、そして準々決勝でR・フェデラー(スイス)と対戦する組み合わせ。
錦 織 3 6-4
6-3
7-50 グロート 第3セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T 計 錦 織 ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ 7 グロート ◎ ○ ○ ○ ○ 5 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
【第12ゲーム】 グロートのサーブ。0-15から、錦織は右へ左へ際どいボールを拾い続け、フォアハンドの強烈クロスを決める。15-30からグロートがダブルフォールトを犯し、錦織にマッチポイントが訪れたがグロートが粘りジュースに。それでも最後はグロートのショットがネットにかかり錦織がストレートで初戦突破を飾った
【第11ゲーム】 錦織のサーブ。15-15からのストローク戦は、グロートが鋭いフォアハンドの逆クロスを決める。15-40から錦織が連続ポイントでジュースに。サービスポイントでアドバンテージを取り、最後はグロートのショットが返らず錦織がキープ
【第10ゲーム】 グロートのサーブ。40-30から、錦織のフォアハンドのストレートが外れグロートがキープ
【第9ゲーム】 錦織のサーブ。40-15からグロートのロブショットに対応し、バックハンドのボレーを決めた錦織がキープ
【第8ゲーム】 グロートがラブゲームでキープ
【第7ゲーム】 錦織のサーブ。40-15からグロートのフォアショットがアウトとなり錦織がキープ
【第6ゲーム】 グロートのサーブ。40-15からボレーショットを決めたグロートがキープ
【第5ゲーム】 錦織のサーブ。40-15からセンターへのサービスポイントを奪い錦織がキープ
【第4ゲーム】 グロートのサーブ。40-30からサービスエースを決めグロートがキープ
【第3ゲーム】 錦織のサーブ。15-40とされ、最後はストローク戦から錦織のフォアハンドのショットが外れグロートがブレーク
【第2ゲーム】 グロートのサーブ。15-30から錦織がグロートの逆を突くフォアハンドのストレートを決める。グロートの連続サービスエースでジュースに持ち込まれるが、グロートが続けてショットを乱し錦織がブレーク
【第1ゲーム】 錦織がラブゲームでキープ
<メディカルタイムアウト>セット間に錦織が3分間のメディカルタイムアウトを要求。ベンチ前に横たわり、トレーナーから大会前に痛めた左脇腹のマッサージを受ける
第2セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T 計 錦 織 ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ 6 グロート ◎ ○ ○ 3 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
【第9ゲーム】 グロートのサーブ。40-30から前に出たグロートに対し、錦織が強烈なフォアハンドのストレートをジュースに。2度目のジュースの際には場内から「頑張れー」と日本語で声援が飛ぶ。最後はグロートのショットが乱れ錦織がブレーク。第2セットも奪う
【第8ゲーム】 錦織のサーブ。ダブルフォールトでつまづくが、ドロップショットを決め追いつく。30-40とされるが、前に出てボレーを決めジュースに。グロートは悔しそうに叫び声をあげる。ピンチをしのいだ錦織がキープ
【第7ゲーム】 グロートのサーブ。40-15からサービスポイントを挙げたグロートがキープ
【第6ゲーム】 錦織のサーブ。40-30から前に出て落としたグロートに対し、回り込んで拾った錦織が再び鮮やかなパッシングショットを決め、観客からも大きな拍手。錦織がキープ
【第5ゲーム】 グロートのサーブ。15-15から、前に出たグロートに対し、錦織がバックハンドのクロスでパッシングショットを決め30-15。こぶしを握り締めて気持ちを高める。ジュースの末、最後はグロートの正面にサービスリターンを決め錦織がブレーク
【第4ゲーム】 錦織のサーブ。40-15から立て続けにショットが乱れ、ジュースに持ち込まれる。2度のジュースの末、苦しみながらも錦織がキープ
【第3ゲーム】 グロートのサーブ。15-15から頭越しのロブショットをロブショットで返した錦織だったが惜しくもアウトとなり30-15。40-30から錦織のリターンがネットにかかりグロートがキープ
【第2ゲーム】 錦織のサーブ。0-40から錦織が連続ポイントを挙げるが、ラリーの末に錦織のフォアハンドショットがネットにかかりグロートがブレーク
【第1ゲーム】 グロートのサーブ。0-15から錦織の鮮やかなリターンエースが決まる。15-40からグロートがダブルフォールトで錦織が幸先よくブレーク
第1セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T 計 錦 織 ○ ○ ◎ ○ ○ ○ 6 グロート ○ ○ ○ ○ 4 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
【第10ゲーム】 錦織のサーブ。鋭い角度に決まるサーブにグロートは対応しきれず。40-15からグロートのリターンが外れ錦織が第1セットを先取
【第9ゲーム】 グロートがラブゲームでキープ
【第8ゲーム】 錦織のサーブ。いきなりダブルフォールトでつまづくが、30-30から前に出てのバックハンドのクロスをグロートが返せず40-30。錦織のセンターへのサービスをグロートがネットにかけ錦織がキープ
【第7ゲーム】 サーブが冴えたグロートがラブゲームでキープ
【第6ゲーム】 錦織のサーブ。40-15からグロートのリターンが外れ錦織がキープ
【第5ゲーム】 グロートのサーブ。15-40からグロートのショットがネットにかかり錦織がこの試合最初のブレークに成功
【第4ゲーム】 錦織のサーブ。0-40とされるが、そこから連続ポイントで追い上げ、最後は鮮やかなドロップショットを決めた錦織がキ-プ
【第3ゲーム】 グロートがラブゲームでキープ
【第2ゲーム】 錦織のサーブ。ジュースにもつれ込むが、最後はグロートのリターンがネットにかかり錦織がキ-プ
【第1ゲーム】 グロートのサーブで試合開始。最初のサーブは時速230キロ。錦織のリターンがネットにかかり15-0。30-40から錦織がフォアハンドで鮮やかなリターンエースを決めジュースに。4度のジュースの末、最後は連続サービスエースを決めたグロートがキープ