6月8日、グランドスラムの全仏オープン男子シングルス決勝。
第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を3-6、7-5、6-2、6-4で勝利し、グランドスラム通算14回目の優勝を果たした。全仏オープンでは2005年の初出場以来66勝1敗で5連覇は全仏史上初めて。クレー・キングはローラン・ギャロスで健在であった。
勝利後のインタビューでは、「この対戦は自分にとって大きな大きな挑戦でした。彼(ジョコビッチ)にはここ4回負けていますから。自分の限界までプレー出来たからこそ、今回倒すことが出来ました。ここ2年とても高いレベルでプレーしてきた彼だから、彼が勝っておかしくなかったと思います。」と答え、ライバルを讃えた。
第4セット第6ゲーム、ブレイクに成功するが、疲労のピークだったのだろうか、第7ゲームでダブルフォルト、スマッシュミスとナダルらしからぬアンフォースドエラーでブレイクバックを許す。
あのタフなラファが一瞬、限界の表情を見せたが、勝利への強靱な意志がその表情をすぐ打ち消した。
そして、第10ゲーム、ナダルが3ポイント連取でマッチポイントをつかみ、マッチポイントへ。
緊張が途切れてしまったのだろうか?ジョコビッチのダブルフォルトで幕切れへ。
ナダルはジョコビッチとの42度目の対戦で、23勝19敗とした。
ナダルは5年連覇、9度目の優勝という大記録を打ち立て、グランドスラム14勝目としピート・サンプラス(アメリカ)に並び、2位タイとし、1位のロジャー・フェデラーの17勝にあと3つに迫った。
表彰式では、全力を出し切り、戦い終わった二人は涙を浮かべていた。そして、フィリップ・シャトリエの観客は、いつ鳴り終わるかわからないほどの賞賛の拍手を贈った。
ナダルは、すでに勝利の余韻に浸る暇もなく、フランスから直接ドイツに向かい、芝の大会の準備をするのだという。
ナダルのグランドスラム14勝の内の2勝はウィンブルドンのものであるが、この2年の成績は思わしくない。2012年には2回戦で、昨年は1回戦で敗退している。
トップが頂点を守ること。そのために努力を惜しまぬこと。それがどんなに過酷なことでもやり遂げる強靱なメンタル、それがラファの魅力でもある。