11月5日、BNPパリバ・マスターズ(フランス/パリ)シングルス3回戦。
第3シードのR・フェデラー(スイス)が第13シードのJ・イズナー(アメリカ)に6-7 (3-7), 6-3, 6-7 (5-7)のフルセットで負けて、ベスト8進出を阻まれた。
過去のイズナーとの対戦は、5勝1敗、最後に対戦した全米オープン4回戦でも7-6 (7-0), 7-6 (8-6), 7-5のストレートでイズナーを退けていたが今回のイズナーのサービスはさらに威力を増していたようである。
208cmセンチの長身から繰り出すサービスに錦織も十分に苦しめられたが、フェデラーも試合を通して27本のサービスエースを記録したイズナーのサービスに後塵を拝してしまう。長身のフェデラーでさえもマッチポイントでも大きく跳ねるサービスでミスを誘われ、反撃かなわず終止符が打たれた。
フェデラーは第2セットの序盤で疲労が蓄積された右腕に治療を受ける場面が見られたが、その後は問題が無いプレイをしていた。
フェデラーは敗戦を振り返り「自分のサービスゲームを1度もブレークされずに大会を去るのは辛い現実だが、実際それが起きてしまった。今日は、他にどんなプレーをすれば良かったかまだ分からない。」
そして、
「彼(イズナー)に必要なのは、ここぞという時にどれだけビッグサービスが打てるかということ。今日の彼はそれがしっかり出来ていた。凄かったよ。」とイズナーのプレーも称賛も惜しまず。
フェデラーは、先週、スイス・インドアで、今季6度目でキャリア通算88度目の優勝を飾ったばかりで、今大会初戦となった2回戦ではA・セッピ(イタリア)をわずか47分で一蹴するなど順調であったが、伏兵の前に沈んだ。
一方、J・イズナーはこの日の勝利を、テニス人生のトップ5に入るものだと表現し、「彼(フェデラー)は素晴らしいプレーヤー。1番好きな選手だし、史上最高の選手だと自分は思っている。そんな彼からの勝利は非常に大きな意味があるし、とても誇りに思う。」と語った。
目標が高ければ高いほど、達成したときの喜びは倍増する。憧れのフェデラーから飾った勝利は更に特別なものとなり、イズナーのテニス人生に一つのメダルが贈られた。