7月6日ウィンブルドン男子シングルス決勝。第4シードのロジャー・フェデラー(スイス)が第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に7-6 (9-7), 4-6, 6-7 (4-7), 7-5, 4-6のフルセットで敗れ、ウィンブルドン8度目のタイトル獲得とグランドスラム史上最多18勝目を逃した。
もしもの話となってしまったが、32歳のフェデラーが今回優勝していたら、1975年に優勝したーサーアッシュ(当時31歳)以来の39年ぶりの大会最年長優勝記録がぬりかわったが、これも来シーズンへと持ち越しとなった。
この試合、第1セットはタイブレークの末、フェデラーが先制するが、第2・第3セットはジョコビッチに連取されてしまう。
そして第4セット、ジョコビッチにゲームカウント2-5と大きくリードを許し、さらにジョコビッチのチャンピオンシップポイントという絶対絶命のピンチを迎えるが、フェデラーがしのぎきる。
そして全盛期のフェデラーを彷彿させるサービス、ネットプレー、深いストロークと圧倒的な強さで5ゲーム連取し、ゲームカウント7-5で奪取し、息詰まる戦いはファイナルセットへ。
多くの観客は、フェデラーの2年ぶり8度目の優勝を期待したのかフェデラーコールがスタジアムにわき起こる。ジョコビッチはこの歓声の中、自分との戦いの孤独の中にいたにちがいない。
第5セット、ブレイク合戦で最後まで勝敗が見えない状況が続くも、ジョコビッチに第10ゲームでブレークを許してしまい、ゲームカウント4-6、3時間56分のゲームにピリオドが打たれた。
試合後のインタビューでフェデラーは「素晴らしい決勝戦だね。わたしが第5セットまでいけたことに自分でも驚いているよ。」と試合を振り返る。
芝を得意とするフェデラーは、ウィンブルドンで2003・2004・2005・2006・2007年の5連覇、そして2009・2012年の2度タイトルを獲得しており、合計7度の優勝を誇っている。
そして今回、2年ぶり8度目の優勝を狙うも、結果、3年ぶり2度目の優勝のジョコビッチに阻まれることとなった。
腰に故障を抱えて臨んだ昨年のウィンブルドンでは、2002年以来となる2回戦敗退を喫し、長年使い続けたラケットより大きなラケットをトライするなど試行錯誤するなど本人のとっても納得のいかないシーズンを過ごした。
しかし、今年のウィンブルドンでは、いつも以上にサービスが冴えわたり、日曜日の決勝戦までは89回のサービスゲームではわずか1度しかブレークを許さないなど、強いフェデラー復活のプレーを見せていた。
33歳の誕生日まであと1ヶ月と迫ったフェデラーは、これが2012年の同大会の決勝でA・マレー(英国)を下し、史上最多となる17度目のグランドスラム優勝を果たして以来となるグランドスラムでの決勝進出だった。
これが優勝する最後のチャンスだったのではと問われるとフェデラーは「またこの舞台に立てるかどうかは、何の保証もない。もしかしたら、まだまだチャンスがあるかも知れない。だからその質問に答えるのは不可能さ。」とコメント。
そして「今は体が健康で、この2週間で見せたようなプレーが出来るという事を感じられた事実にはかなり満足している。だから、これからの未来にももっと多くの素晴らしい事が待っていると言う証しになったと確信出来た。」とフェデラーは、締めくくった。
フェデラーの挑戦は、未だ道半ばなのかもしれないと感じたのは私だけであろうか?
世界のトップ10にいるだけでも大変な男子テニス界、それも12年間続けている事実、引退の言葉を聞き出そうとしたインタビュアーの狙いをはずし、フェデラーのさらなる挑戦は続きそうである。