5月29日、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)男子シングルス4回戦。
第5シードの錦織圭は第9シードのR・ガスケ(フランス)に約1時間の雨の中断を挟みながら、4-6, 2-6, 6-4, 2-6で敗れ、2年連続のベスト8進出と今季の4大大会、マスターズ全戦で続けていた8強以上の成績が途切れた。
第1セット、4-2リードするが、錦織のサーブで雨が降り出す。第7ゲームのデュースの時点で雨により一時中断。
約1時間後、ゲームは再開したが、水分を含んだ球は重く、毛羽だった球は空気抵抗で飛ばず。錦織は直線的な弾道で攻めたが、雨がそれを阻み、ミスを誘発させた。再開後はガスケに6ゲームを連取され、第1セットを落とす。さらに流れを変えることが出来ずに第2セットも落とし、後がなくなる。
第3セットは実力と意地を見せて1セットを返すが、第4セットは第1ゲームでブレークを許すと勢いは、観客の応援にも背中を押されたガスケに傾き、第5ゲームもブレークされ、錦織は主導権を取り戻せずに敗れた。
全仏前まで出場した4大大会とマスターズ大会全てで8強以上の成績を残し、直前のマスターズ大会はマドリード、ローマとも、全敗して苦手であったガスケに2連勝し、自信をもって試合を迎えた。
記者会見で「ベスト4や決勝に行ける可能性を感じていた。もったいない、悔しい」と今季、好調なだけに、自分への期待感は大きかった錦織は大きく落ち込み、失望していた。
錦織にはラケットのストリングスの張力を、0・5ポンド違いで分かる繊細な感覚がある。
「球が重くてクリーンに打てなかった。もう少し晴れてれば早い展開ができたと思う」その鋭い感覚が、雨の主戦場と化したローラン・ギャロスでは、マイナス面に作用してしまった。
テニスは、自身に加えて、自然とも戦わなければならない、厳しいスポーツであることを印象づけた試合でもあった。
そして、錦織が自らリクエストしたという全仏で初めて着用する黒のウェアでの白星は、残念ながら幻となった。
錦織のクレーシーズンは、この日で終結し、次戦はウィンブルドンに向けての6月13日開幕のゲリーウエバーオープン(ドイツ)に出場予定である。
錦 織 1 4-6
2-6
6-4
2-63 ガスケ
第4セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T 計 錦 織 ○ ○ 2 ガスケ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ 6 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
【第8ゲーム】 ガスケのサーブ。40-0から錦織のフォアハンドのリターンは返らず。ガスケが地元の声援も力に勝利を飾った
【第7ゲーム】 錦織のサーブ。40-15からガスケのフォアハンドのリターンがアウトとなり錦織がキープ
【第6ゲーム】 ガスケのサーブ。続けてリターンを返せず0-30とされた場面で錦織はラケットを交換。何とか気持ちを落ち着かせ流れを変えようとする。錦織は30-40から高い打点の逆クロスを決めジュースに持ち込むが、最後はバックハンドのクロスが外れガスケがキープ
【第5ゲーム】 錦織のサーブ。30-30から錦織のフォアハンドの逆クロスが外れ30-40。最後は錦織のフォアハンドのショットがネットにかかりガスケがブレーク
【第4ゲーム】 ガスケのサーブ。30-30から連続サービスエースを決めたガスケがキープ
【第3ゲーム】 錦織のサーブ。30-15からの長いラリーはガスケが放ったコードボールがアウトとなり錦織にポイント。最後はガスケのバックハンドのショットがネットにかかり錦織がキープ
【第2ゲーム】 ガスケのサーブ。40-15からガスケの放ったフォアハンドのストレートに錦織は動けず。ガスケがキープ
【第1ゲーム】 錦織のサーブ。30-40から、サーブ後すかさず前に出る錦織の圧力の前にガスケのリターンが返らずジュースに持ち込むが、最後は強烈なフォアハンドのクロスで長いラリーを制したガスケがブレーク
第3セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T 計 錦 織 ○ ○ ○ ○ ○ 6 ガスケ ○ ○ ○ ○ 4 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
【第10ゲーム】 ガスケのサーブ。15-15からガスケがダブルフォールト。30-15から錦織が強烈なフォアハンドのストレートを決める。40-15から錦織のバックハンドのストレートに対し、ガスケのリターンがネットにかかり錦織が第3セットを奪い返す。錦織は力強く大きなガッツポーズを見せる
【第9ゲーム】 錦織のサーブ。見応えのあるラリーの応酬は錦織の球足の長いバックハンドのストレートがわすかに外れアウトとなり0-15。0-30から錦織が3連続ポイントを奪うが、粘るガスケがジュースに持ち込むが、最後はセンターへのサービスポイントを決めた錦織が懸命のキープ
【第8ゲーム】 ガスケのサーブ。40-0から錦織のリターンがネットにかかりガスケがラブゲームでキープ
【第7ゲーム】 錦織のサーブ。30-0から錦織がサービスポイントを奪う。錦織がラブゲームでキープ
【第6ゲーム】 ガスケのサーブ。15-0から錦織のリターンが続けて返らず40-0。40-15からサービスエースを決めたガスケがキープ
【第5ゲーム】 錦織のサーブ。40-0からサービスエースを決めた錦織がラブゲームでキープ
【第4ゲーム】 ガスケのサーブ。0-30からガスケが3連続ポイントを奪う。粘る錦織がジュースに持ち込むが、最後はサービスエースを決めたガスケがキープ
【第3ゲーム】 錦織のサーブ。30-15から錦織がダブルフォールトを犯す。30-30からガスケのショットを投げ出しての懸命のリターンが深い位置にポトリと落ちてガスケにポイントが入る嫌な流れ。それでも錦織はドロップショットを決めジュースに。最後はガスケのバックハンドショットがアウトとなり錦織が踏ん張りキープ
【第2ゲーム】 ガスケがラブゲームでキープ
【第1ゲーム】 錦織のサーブ。40-0からガスケに2連続ポイントを奪われるが錦織がキープ
第2セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T 計 錦 織 ○ ○ 2 ガスケ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ 6 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
【第8ゲーム】 ガスケのサーブ。錦織がリターンエースで最初のポイントを奪うが3連続ポイントを奪われる。最後は強烈なバックハンドのストレートを決めたガスケが第2セットも連取
【第7ゲーム】 錦織のサーブ。40-0からガスケのショットがネットにかかり錦織がラブゲームでキープ
【第6ゲーム】 ガスケのサーブ。ガスケがサービスエースを決め15-0。40-0から錦織のバックハンドのリターンがアウトとなりガスケがラブゲームでキープ
【第5ゲーム】 錦織のサーブ。30-30からコードボールを懸命に拾ったガスケに対し錦織の深い位置へのショットが外れる。ジュースに持ち込むが、最後は強烈なバックハンドのクロスを決めたガスケがブレーク
【第4ゲーム】 ガスケのサーブ。15-0から錦織がボレーでポイントを返す。40-30からフォアハンドのクロスを決めたガスケがキープ
【第3ゲーム】 錦織のサーブ。30-15から錦織がフォアハンドのクロスを決める。40-15からガスケのリターンが返らず錦織がキープ
【第2ゲーム】 ガスケのサーブ。40-15から錦織のフォアハンドのショットがネットにかかりガスケがキープ。錦織にとっては我慢の時間帯が続く
【第1ゲーム】 錦織のサーブ。15-15からネット際の攻防を錦織がボレーで制する。2度のジュースの末、錦織のフォアハンドショットがネットにかかりガスケがブレーク
第1セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T 計 錦 織 ○ ◎ ○ ◎ 4 ガスケ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ○ 6 ○はキープ、◎はブレーク、Tはタイブレーク
【第10ゲーム】 ガスケのサーブ。0-15から錦織が左右に鋭いショットでガスケを揺さぶり最後はボレーでポイントを奪う。40-15から強烈なバックハンドのストレートを決めたガスケが第1セットを先取
【第9ゲーム】 錦織のサーブ。15-0からガスケが3連続ポイント。最後は錦織の深いショットがわずかに外れガスケがブレーク
【第8ゲーム】 ガスケのサーブ。0-15から錦織がドロッププショットでガスケを前に引きつけてからのフォアハンドのストレートを決める。40-30からの長いラリーは錦織のショットが大きく外れガスケがキープ
【第7ゲーム】 雨がちらつきスタンドに傘が目立ち始める。錦織のサーブ。30-40から31本に及ぶ長いラリーの末、錦織の強烈で深いバックハンドショットをガスケが返せずジュース。ここで雨天中断に入り、両選手がコートを引き上げる。コート全面がシートに覆われる。その後雨が止み、およそ1時間後に両選手がコートへ。ウオーミングアップを経て試合が再開される。ジュースからの再開は、連続ポイントを奪ったガスケがブレーク
【第6ゲーム】 ガスケのサーブ。30-40からガスケのフォアハンドのクロスがアウトとなり錦織がブレーク
【第5ゲーム】 錦織のサーブ。30-0からネット際に出てボレーが決まる。40-15からガスケのリターンがサイドラインを越えてわずかにアウトとなり錦織がキープ
【第4ゲーム】 ガスケのサーブ。0-15から錦織が会心のバッククロスを決めガッツポーズ。0-30からネット際に出てボレーを決める。30-40からフォアハンドのストレートに対するガスケのリターンがネットにかかり錦織がブレーク
【第3ゲーム】 錦織のサーブ。0-30から錦織がダブルフォールト。15-40から錦織の高いショットが外れガスケがブレーク
【第2ゲーム】 ガスケのサーブ。40-0から錦織のリターンがネットにかかりガスケがラブゲームでキープ
【第1ゲーム】 錦織のサーブで試合開始。最初のポイントはフォアハンドのストレート。錦織が幸先よくラブゲームでキープ