5月14日、BNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)シングルス準決勝。
第6シードの錦織圭は第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)に6-2, 4-6, 6-7 (5-7)の逆転で敗れ、この大会初で自身3度目のマスターズ決勝進出を逃した。
第1セット第1ゲーム。ジョコビッチはサービスゲームのキープ後、メディカルタイムアウトを要求。ラケットで靴底の土を落とすつもりが、手元が狂って、左足内側のくるぶし付近を負傷した模様。
第2ゲーム、約7分のインターバルの後にも緊張を崩さなかった錦織が、2度のブレークチャンスを逃れ、キープする。
第3ゲーム、錦織はリターンエース、ドロップショットなど、最初のブレークチャンスで再びドロップショットを決め、先にブレークに成功する。
第4ゲーム、30-30から錦織にバックのミスが出てジョコビッチにブレークバックのチャンスを与えるが、錦織は激しいストローク戦からショートクロスを決めてデュース。センターへのサービスエースでアドバンテージにし、最後はジョコビッチのリターンがアウトし、錦織がキープ。
第5ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでサービスキープ。
第6ゲーム、長いストローク戦からドロップショットとデュースに持ちこれるが、キックサービスで逃れると最後はジョコビッチのリターンがアウト。
第7ゲーム、長いストローク戦を嫌ったのかドロップショットを多用し、錦織はスピン量を変えたストロークでジョコビッチの打点を狂わせ、最後はバックハンドのダウンザラインが決まり、先にブレークに成功。
第8ゲーム、錦織がサービスキープし、ジョコビッチから2014年全米オープン準決勝以来のセットを取る。錦織のストロークが深く、ジョコビッチのカウンターを防ぎ、サービスリターンでもジョコビッチの球にうまく対応できた。
第2セット第2ゲーム、錦織はダブルフォルト、ショットのミスが続き0-40のピンチを迎えるが、ジョコビッチにショットの連続ミスなどありデュースとする。4度目のデュースでジョコビッチがリターンミスし、錦織が我慢のキープ。
第3ゲームから両者サービスキープが続く。
第8ゲーム、錦織のサービスゲームで15ー30からジョコビッチの強烈なファアハンドストロークが決まり、ブレークのピンチ。セカンドサービスを叩かれたが、バックハンドのスライスで深く返球、最後は錦織の深いバックハンドクロスをジョコビッチがリターンミス、デュースに。ジョコビッチがリターンをネットにかけて錦織がアドバンテージ、最後もジョコビッチのクロスのリターンがアウト。錦織がここでも、しのいでキープ。
第9ゲーム、激しいストローク戦からドロップショットを失敗するが、30−30から錦織のストロークがコードボールとなり、ジョコビッチが対応し、ドロップショット。錦織がノットアップ。最後はジョコビッチの厳しいリターンに錦織がネットにかけ、第2セットを奪われ、ファイナルセットへ。
第3セット第2ゲーム、錦織はジョコビッチに先にブレークされる。
第3ゲーム、錦織はブレークバックのチャンスをつかむが、ジョコビッチにかわされる。
第7ゲーム。両者のコートを目一杯使った厳しいストローク戦の中、錦織は絶妙のドロップショットを放つがジョコビッチが対応、その返球に錦織はロブを選択するがジョコビッチがバックのハイボレーで返球、最後はオープンコートを狙った錦織のボールがネットにかかり、最初のポイントはジョコビッチに。
ジョコビッチのセカンドサービスを叩いて、チャンスボールを引き出した錦織のバックハンドの強烈なダウンザラインが決まり、15−15。
錦織がセカンドサービスをバックハンドで攻撃し、最後はジョコビッチのバックハンドストロークがアウトし、15−30。
ジョコビッチの厳しい攻撃に耐えて、深く返球し、チャンスを待つが、ダウンザラインのボールを追いつき、スライスの返球がアウトし、30ー30
15回のストローク戦で最後はジョコビッチのバックハンドがアウト。錦織がブレークバックのチャンスを迎える。
ジョコビッチのコーナーを突く厳しいファーストサービス錦織は崩され、フォアハンドを決められデュースに。
錦織が攻撃的なストロークを続け、最後はジョコビッチのフォアが大きくアウトし、錦織が2度めのアドバンテージを迎える。この時にガットが切れたようであるが、ジョコビッチが気付かず、主審に指摘され、ラケット交換する。
ジョコビッチがサービスの球種を変えた錦織のダウンだラインを狙った錦織のリターンが大きくアウトし、再びデュースに。
錦織はリターンから強打を連発し、最後はジョコビッチのボールがネットし、3度目のブレークバックのチャンスを迎える。
ジョコビッチのセンターへのサービスを錦織は回転を強くかけたスピンボールでリターン、攻撃的なストロークを続け、ジョコビッチのリターンミスを誘い、ブレークバックに成功。
第8ゲーム、40-30から錦織が深いフォアハンドのクロスを決めてキープ
第9ゲーム、40-30からセンターのサービスに錦織のリターンがアウトし、ジョコビッチがキープ
第10ゲーム、ドロップショットなどで錦織は揺さぶられ、30-30に。ジョコビッチのバックにフォアで打ち込みネットをとった錦織だったが、ロブで打ち返され、うまくハイバックボレーで対応するが、パッシングショットで抜かれて30-40、ジョコビッチのマッチポイントを迎える。
錦織はジョコビッチのリターンをフォアの逆クロスで逆を突いてデュース。ジョコビッチのリターンミスで錦織のアドバンテージ。最後はセンターへのサービスエースが決まり、錦織がしのいでキープ。
第11、12ゲームは両者サービスキープで、ファイナルセットはタイブレーク戦へと突入。
タイブレーク、錦織のミニブレークで始まるが、ジョコビッチがミニブレークを取り戻す。錦織のバックのダウンザラインにジョコビッチがミスし、2−1。
ジョコビッチのサービスゲームをミニブレークして3−1とするが、再び、ジョコビッチがミニブレーク。
3-3でサイドチェンジ。71%とサービスの確率を上げてきた錦織が痛恨のダブルフォルトで3-4。
錦織はセカンドサービスを回り込んで勝負のフォアを放つがネットにかかり、3-5。
ラリーから錦織のバックハンドがアウトし、3-6でジョコビッチの、長いラリーから錦織はフォアのダウンザラインをサイドライン内側に決めて4-6、ジョコビッチの逆クロスのフォアはサイドアウトで5-6、最後はジョコビッチのセンターへのセカンドサービスのリターンがネットにかかり、5-7。3時間を超える好ゲームに終始符が打たれた。
このゲームのスタッドを見ると獲得点はジョコビッチの112に対し111。ダブルフォルトは互いに2つ。錦織はその1つが大切な場面で出てしまった。
しかし、ウィナーの数は先週と同じくジョコビッチを上回り、5ショットまでの勝率では59の互角、しかし、5〜9ショットでは錦織37、ジョコビッチ32と優位に立つ、何よりもサービスでのポイント数が錦織が125,ジョコビッチが96とこのゲームではジョコビッチのサービスにうまく対応できたということがデータからもわかる。
錦織の試合後インタビュー。最終セットのタイブレークで3オール。「勝ちを意識し始めたポイント。硬くなったのかも。狙いすぎた」と痛恨のダブルフォールト。まさにその1ポイントが明暗を分けてしまった。
先週のマドリードでは敗れたが「光が見えてきた」と、一歩ずつ王者を倒す手応えをつかんで迎えた今回の戦い。さらに堅牢な王者の扉を開く道筋が見えたかもしれない。しかし、全仏オープンは5セットマッチ、さらなる持続するパワーが必要となる。