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大森望×松下隆志「社会主義のディストピア、資本主義のユートピアーー『われら』光文社古典新訳文庫版刊...
大森望×松下隆志「社会主義のディストピア、資本主義のユートピアーー『われら』光文社古典新訳文庫版刊...
【収録時のイベント概要】いまから約1000年後、地球全土を支配下に収めた“単一国”では、食事から性行為まで、各人の行動はすべて“時間タブレット”により合理的に管理されている。その国家的偉業となる宇宙船“インテグラル”の建造技師д‐503は、古代の風習に傾倒する女I‐330に執拗に誘惑され……。20世紀ロシアの異端の作家・ザミャーチン。その代表作『われら』で描かれるのは、科学的な合理主義を極端に突き詰めた結果現れる、全体主義のディストピアだ。「SFの父」H・G・ウェルズに大きな影響を受けたザミャーチンは、いまからおよそ100年前に、きわめて予兆的な作品を書き上げていた。『われら』や『一九八四年』と並ぶディストピアものの傑作とされるのが、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』。1932年に発表されたこの作品では、共生・個性・安定をスローガンとする世界国家がすべての欲求を管理し、合法ドラッグによる幸福状態を供給している。ヘンリー・フォードが神と崇められる、資本主義のユートピア。ハクスリーは『われら』からの影響を否定しているが、両者は多くの共通点を持つ。ソ連流・英米流のそれぞれのユートピア/ディストピアは、どのような関係にあるのか。その今日的な意義とはどのようなものか。『われら』の新訳を手掛けた気鋭のロシア文学者・松下隆志と、2017年に『すばらしい新世界』の新訳を発表した翻訳家・大森望が、ディストピアSFの系譜を辿りながら、その現代性や文学史的意義、ロシア、スラブ文化圏におけるSFの現在に至るまで、縦横無尽に語りあう。【登壇者より】『われら』は今からちょうど百年前、革命後間もないロシアで書かれた小説で、今日ではディストピア小説の古典として知られています。しかし、巨大な「壁」によって他者が排除され、「タブレット」が人間...
動画ID:so37899609
再生時間:180:37
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タグ:ゲンロンカフェ(文化),松下隆志,大森望