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お迎えに上がりました
お迎えに上がりました
「お迎えに上がりました」 気付けばそこには、名も知らない少女がいた。 白い身体に黒い花を纏ったような少女はこちらを見るなりほっと微笑んだ。 その所作に何故かはわからないが、こいつは生きては無いんだと思った。何の確証も無いけれど。しかし彼女からは凡そ人としての生気が欠落していた、人が呼吸をするときのような仕草も感じられないしその陶器のような肌は一番人の温もりからかけ離れていた。それなのに、こちらを見つめる瞳だけは人間よりも人間らしく在った。 それをそれたらしめるのは如何に透き通っているだとか綺麗だとか言うのではなく、その深度だった。深く、まるで深海のように、奥に行けば行くほどに不思議と虜になってはもう出ることはできない。そんな深い海のような深層をも抱かせる瞳だけが彼女にあった。 それを言い表すのであればきっと「花」なのだろう 黒い花束が佇んでいる。 色はあるされど語るは瞳だけ 唯だ、雪に圧されて朽ちてゆく蛾のように彼女は歩く様は、まるで季節を物語るかのようだった。
動画ID:sm43304892
再生時間:2:38
再生回数:再生回数:36 回
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