Read Article

錦織圭、ベスト8進出で82年ぶりの扉をこじ開ける!(2015全仏オープン)

Photo : atpworldtour.com

5月31日、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)男子シングルス4回戦。
四大大会初優勝を狙う第5シードの錦織圭が世界ランク74位のT・ガバシュビリ(ロシア)を6-3, 6-4, 6-2のストレートで下し、全仏オープン初の準々決勝進出を決めた。
そして、この記録は日本男子で1933年大会でベスト8に進出した佐藤次郎選手以来、2人目となり、82年間閉ざされていた扉をこじ開ける快挙。

1933年といえば、1929年に起きた世界恐慌の影響を受けている世の中で、1月30日にヒトラーが独首相となり、ナチス政権が誕生、3月3日には三陸地方大地震 (M8.1、死者3021名、不明43名、負傷968名)、3月4日にフランクリン・ルーズベルトによるニューディール政策始動、7月25日に山形市で気温40.8度の日本記録を更新、12月24日に鹿児島県口永良部島が噴火(全壊14戸、死者8名)などの歓迎できない出来事がおきた年。

さて、ゲームの方は、雨のために第一試合が途中で中断したために開始時間が2時間以上も遅れ、3回戦がなかったことでの3日間のブランクの影響が心配されたが、錦織が危なげない試合運びでストレート勝利で、メンタル面でもガバシュビリを上回り、試合勘の不安はまったく感じられず。

対戦前のインタビューでガバシュビリは「彼(錦織)の最高のプレーは1時間か1時間半で、長くは続かない。長い試合が僕の望みだ。」と、1回戦で第11シードのF・ロペス(スペイン)を破り、勢いに乗ったまま2・3回戦を突破したゆえにストローク戦に自信があったのだろう。

確かに高い打点からのフォアのストロークには破壊力があり、戦闘力は十分と見えたが、錦織のフォアはさらに強烈。そして、今までの試合でウィナーになっていたショットが返球され、逆襲されることに明らかにメンタルが乱される結果となる。サービスで優位に立たなければという思いがダブルフォールトを誘い、ガバシュビリは悪循環に陥っていった。

一方、錦織は、ガバシュビリの強烈なストロークの受けながらも、集中力を切らさず、ここぞというポイントでブレークし、試合の主導権を渡さず。結果、40本のウィナーを決めて1時間58分でゲームに終止符。

錦織圭の準々決勝の対戦相手は、第14シードの地元JW・ツォンガ(フランス)。
錦織とツォンガの対戦成績は4勝1敗と勝ち越している相性の良い相手ではあるが、4回戦で第4シードの好調T・ベルディヒ(チェコ共和国)を破っての勝ち上がり。
怪我からの復帰で好調を維持しており、地元のアドバンテージを生かし、気分的に乗らせると危険な相手であることは間違いない。集中力を切らさずに、先にツォンガのメンタルを揺さぶることが勝敗の分かれ目となるであろう。

WOWOWのインタビューで錦織は、ツォンガ戦の対策には「やっぱりサービスが良いですし、フォアと攻撃的なプレーが彼の持ち味なので、なるべく打たせないように出来たらと思います。」

「負けることはなくなってきたと思います。でも彼の打つボールはとても重いですし、逆クロスなんかも角度もつけてくるので、それに注意します。」と気を引き締めるコメント。

錦織とツォンガの直近の対戦は、昨年10月に行われたBNPパリバ・マスターズで、錦織がフルセットの末に勝利。錦織が敗れたのは2013年の上海マスターズのみで、ストレートで敗れている。

URL :
TRACKBACK URL :

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top